9月半ばになっても、30度を超える激しい日差し。
次々に起こる「過去前例のない、記録的な豪雨」などの自然災害……
ゆたかな自然と、次の世代へと本当に引き継いでいけるのだろうか、、、1人の大人として、気にせずにはいられない問題です。
そんななかで進められるSDGsの取り組みの数々。
とはいえ、実際のところ「何からやればいい?」という疑問がある方も多いのでは?
そこで、今日は、とても身近で日常的な「美容」「ヘアケア」をテーマに、いますぐ取り組めるSDGsについて考えてみたいと思います。
”引き算の美容”が目指すのは「持続可能な美容」
「持続可能な社会を実現したい!」
さて、私たちがご提案したいのは、本当に髪にとって必要なことは何かを考えて、必要最小限(ミニマル)な発想で、自然の、あなたらしい美しさを取り戻す「引き算の美容」。
そんな「引き算の美容」の出発点となっているのは、こんな願いです。
誰も、何も犠牲にしない形で、その人らしい自然の美しさを実現したい
これは、私たちが取り扱うエコヴェーダ商品の開発者・森田要さん、そしてエコヴェーダの開発元であるインドのCNP社(カルテイベーター・ナチュラルプロダクツ・有限非公開株式会社)の創業者&現社長にとっての共通の願いでもあります。
彼らは、本気で「持続可能な社会を実現したい!」と考え、さまざまな活動に取り組んでいます。
私たちがご紹介している「エコヴェーダ」の商品も、そんな願いから生まれたものです。
*森田要さん、CNP社の取り組みについては、こちらもあわせてご覧ください。
https://kamillc.com/product-commitment/
ヘアケアの環境負荷を減らす方法=「引き算の美容」
ものすごくシンプルに言うと、今の美容は、いろいろな犠牲の上に成り立っています。
少し極端な言い方をすると「髪」や「環境」が、美容業界という経済システムの犠牲になってしまっている……そんな見方もできるのです。
だけど、本当に必要なことを見極めて最小限のケアをすること、そして「ヘナ」等の植物の力を借りることで、そんな「犠牲」を取り除いて、美容に関わる誰もが幸せになれる形がつくれるはずだ!
そう確信して、私たちは、この活動を続けています。
なので、もし
「持続可能なヘアケアをしたい」
「環境負荷を最小限に抑えられる美容に取り組みたい」
と思うのであれば、引き算の美容に取り組んで欲しい!!!
……と、声を大にしてお伝えしたいのですが、以下では私たちがそのように考える理由を、引き算の美容の4つの原則に沿って、簡単にまとめていきたいと思います。
引き算の美容 4つの原則
原則1:カラーリングをしない、パーマをかけない
原則2:洗髪の回数と使用するシャンプーの量&トリートメントの量を減らす
原則3:傷んだ髪を切りながら整える
原則4:ヘナでケアをする
ポイント1:カラーリングをしない、パーマをかけない
知ったら使えなくなる!? カラーリング剤、パーマ剤の環境負荷
「沁みたらおっしゃってください」
カラーリングやパーマの施術を受ける時、多くの美容院でこう言われると思います。
よく考えたら、とても不思議な言葉だと思いませんか?
このように声をかけるということは
「カラーリングやパーマ=沁みる可能性のある薬剤を使って行われている」
ことが、共通の常識になっているとも考えられます。
カラーリングやパーマに使用する薬剤が、髪や頭皮にダメージを与える可能性が高いことは、こちらの記事でもご紹介してきましたが、環境にとっても大きな負荷を与えるものなのです。
この点について、平田肛門科医院院長・平田雅彦先生は、次のように述べています。
「これらの液(編集注:パーマ液やカラー剤)を、使用後そのまま下水道に流していることも問題です。
もし、同じような薬剤を病院で使用した場合は、そのまま排水溝に流すことができない薬剤です。
医療業界では当たり前のことですが、薬品や材料の取り扱いはとても厳しいものです。
次に厳しいのは食品業界。美容業界にも同様に厳しさが求められるべきだと思います」(『最高のヘナを求めて』P94より引用)
美しくなるつもりの施術が、実は頭皮と髪にダメージを与えるだけではなく、環境にも負荷を与えている……
SDGsの12番目のターゲット「つくる責任 つかう責任」として、目を向けたい事実です。
とある美容師さんの話「アナフィラキシーで死にかけた」
こんな劇薬を毎日のように扱う美容師さん。
当然、身体にも負荷がかかります。
以前、美容師さんからこのような話を聞いたことがあります。
「美容院で仕事をしていたら、ある時、突然、呼吸困難になって倒れたんです。
本当に息ができなくなって、急いで救急車を呼んでもらいました。
なんとか一命をとりとめたものの、診断は、アナフィラキシー。
美容院で使っていた薬剤が原因だとわかりました」
命に別状はなく、今は元気にお過ごしなので何よりなのですが……
ここまでとはいかなくても薬剤が原因の「手荒れ」に悩む美容師さんは多いといいます。
それに、アナフィラキシーは、美容師さんだけではなく施術を受ける方(お客さん)にも起こる可能性があります。
色々と書きましたが、結論はこの1点。
カラーリングやパーマに用いられる薬剤は、環境、そして私たちの身体、健康を脅かすリスクをはらんでいる。
だからこそ、別の方法でケアをすることをおすすめしたいのです。
ポイント2: 洗髪の回数と使用するシャンプーの量&トリートメントの量を減らす
1億2000リットルのシャンプーが流されている!?
シャンプーの環境負荷については、こちらの記事にまとめています。
詳しくはこの記事をお読みいただきたいのですが、概要をまとめるとこんな感じ。
・日本では、毎年1億2000リットルのシャンプーが使われている
・日本のシャンプーの頻度、使用量は、先進国のなかで群を抜いている
(他国では2〜3日に一度、日本ではほぼ毎日)
・使用されているシャンプーの多くは、環境に負荷の高い成分が用いられている
(例:自然で分解されない合成界面活性剤など)
シャンプーの成分を確認しよう
本来、髪・頭皮の汚れの8割はお湯(湯シャン)で洗いとることができます。
だから、そもそも、毎日のように大量のシャンプーを使って洗い流す必要がないのです。
そして、シャンプーを使用するにしても、少量で済むような「洗浄力が強すぎないもの」がおすすめ。
そのように考えると、やはり植物を原料にしたシャンプーがベストなのです。
「マヘンディ・シャンプーH」は、植物エキスを中心につくられた液体シャンプー。
そして「みぐしすまし1」「みぐしすまし2」は、何と100%天然植物によるシャンプーです。
環境負荷を考えるならば、私たちの知る限り、これが最適な選択だと思います。
その他、おすすめのシャンプーの仕方はこちらをご覧ください。
おまけ:石けんは本当に環境にやさしいのか?
さいごにおまけとして……
「環境への負荷を考えて、石けん(石けんシャンプー)を使っています」
という声を、たまに聞きます。
はたして、これは本当なのでしょうか?
「引き算の美容」の立場から考えると、実はあまりおすすめはできない方法です。
その理由は次の2つ。
髪に油膜が残り、バクテリアが繁殖するリスクがある
石けんを使って髪を洗うと、髪にろうそくを塗ったような油膜が残ります。
油膜がくっついて、髪がベタッとした状態になるのです。
そして、時には、
「髪を洗ったばかりなのに、何日も洗っていないように髪がベタッとしてしまう…」
ということもあるのです。
また、適度な湿気のある頭皮、毛髪は、菌が繁殖しやすい環境。
髪に残った石けんかすによってバクテリアが繁殖するリスクもあります。
菌が発生して、臭いがきつくなるリスクもあるので、ご注意ください。
石けんの成分「パーム油」にまつわる不都合な真実
石けんの多くは、パーム油を原料にしています。
パーム油は、アブラヤシという西アフリカ原産の植物の実と種からとれる油。
世界で最も安価で、最も多く使われている植物油で、石けんの他にも、加工食品などに用いられています。
ここで問題になるのは、森林伐採や生態系の変化への影響です。
アブラヤシは西アフリカからインドネシア、マレーシアに持ち込まれ、アブラヤシ農園を造成したことで、1970年代から急速に栽培面積が拡大しているといいます。
つまり、熱帯林を伐採して輸出のためのアブラヤシを植える……一見すると、緑が広がっているように見えるかもしれませんが、実際は、熱帯雨林によって育まれた豊かな生態系は崩れ、ひじょうに多くの生物種が消滅したり、絶滅の危機に瀕しているのです。
熱帯雨林の減少に伴い、二酸化炭素濃度が高まり、温暖化に影響を及ぼす可能性があることも見過ごせません。
もちろん、パーム油や石けん自体は、私たちの生活に必要なもの。
環境のために、全く使わないというのは、無理な話でしょう。
だとしたら、本当に必要なところに使用できるようにするのが、賢い選択なのかもしれません。
ポイント3:傷んだ髪を切りながら整える
コスパとしての持続可能性を考えてみる
さて、ここでは少し視点を変えて、私たちの経済状態の持続可能性を考えてみます。
もちろん、環境負荷を減らし、豊かな自然環境を次に引き継げるようにすることは大切です。
でも、だからといって、私たちの生活が成り立たなくなってしまっては、元も子もないのでは?
「衣食足りて礼節を知る」と昔から言われるように、自分の生活が安定するからこそ、周囲で困っている方のこと、自然環境のことを本気で考え、何らかのアクションを起こしていけるようになるのだと思います。
だからこそ、お金を大切してほしいのです。
お金は、自分を満たし、誰かを救うこともできるパワー。
自分のために、相手のために、未来のために、建設的な使い方をしていってください。
……そんな理由で、美容も「コスパ」を大切にしてみてはいかがでしょうか。
まるで投資家になった気持ちで、シビアに「期待したようなリターンが得られているか」を考えてみませんか?
1回のカットに6000円がかかるのだとして、そのカットは、本当に6000円分の価値があるものでしょうか?
そのトリートメントは、本当に投資に対して適切なリターンがあるものでしょうか?
「コスパ」「生活の持続可能性」について、こちらの記事もあわせてご覧ください。
ポイント4:ヘナで使ってケアをする
環境を犠牲にしないで、髪本来の「美しさ」を取り戻す
ヘナの効果、メリットは、驚くほどたくさんあります。
その一部を紹介するならば、こんな感じ。
・トリートメント効果がある:傷んだ部分をコーティングできる
・安心、安全に白髪を染めることができる:白髪をオレンジの染める働きがある
・クセ毛がまとまりやすくなる:保水作用によって、クセが扱いやすくなる
・頭皮環境が改善される:フケの悩み、頭皮の脂っぽさなどが解消する
・薄毛の改善に効果がある:頭皮環境が整うことで、新生毛がはえやすくなる
・身体に好影響がある:抗菌・殺菌作用、解熱作用、抗炎症作用、鎮痛効果、UVカット、頭痛の緩和、肝機能の働きを助ける、生理不順を防ぐ、脱臭など
そのほか、ヘナの効果について、詳しくはこちらをご覧ください。
そしてそして、ここでのポイントは、こうしたメリット、効果を環境負荷を最小限に手に入れることができること。
もちろん、ヘナ以外でも天然植物を用いたケアをすれば、環境負荷を小さくすることはできるでしょう。
ヘナの魅力は、1つの植物にこれだけの効果・効能が詰まっていること。
「一石二鳥」だけではないたくさんメリットを、環境に配慮しながら得られるなんて最高だなと感じています。
(もし、他にも「ヘナ」のようにおすすめの植物があったら教えてください^^)
本当に環境フレンドリーな「ヘナ」を見抜くには?
とはいえ、ここで少しだけ注意が必要なことがあります。
「ヘナ」であれば、必ずしも安全で、環境負荷を最小限にできるわけはありません。
「植物性」「オーガニック」とパッケージに書いてあるから安心、というわけでもありません。
本当に環境負荷を最小限にできる「ヘナ」を選ぶポイントを3つほどご紹介します。
ポイント1:成分を確認する
まずは、基本中の基本ですが、成分表示をよくご確認ください。
環境負荷を考える際、理想の成分表示は、これ。
理想の成分表示
成分:ヘナ100%
これ以外の表示は、要注意。
特に「ヘナ96%」とあり、残りの成分として次のようなものが表示されている場合は、ヘアカラー剤と同じ酸化染料が使われている可能性が高いのでお気をつけください。
成分の種類 | 成分名 | 用途 |
酸化染料 | 5-ジアミン | ヘアカラー、ヘアダイ、白髪染めに使用されている酸化染料です。 発がん性やアレルギーの原因になる可能性が指摘されています。 |
フェニレンジアミン | ||
パラフェニレンジアミン | ||
HC 青 2 | マニキュアなどに使用されるHC染料。 塩基性は酸化染料よりは危険性が低いけれど、化学合成染料です。 |
|
HC 黄 4 | ||
HC 赤 3 | ||
塩基性青 99 | ||
塩基性茶 16 | ||
法定色素 | 赤色4号 | ヘアカラースプレーなどに使用されているタール系色素です。 発がん性やアレルギーの原因になる可能性が指摘されています。 |
黄色1号 |
(引用:ヘナの選び方|96%オーガニックでなく100%天然植物を選ぼうの話)
ポイント2:認証マークを見る
とはいえ、成分表示のすべてが「正しい」わけではありません。
「成分表示」が偽装されることは、残念ながらしばしばあることです。
そこで頼りになるのが、第三者機関による認証。
認証マークについては、これから少しずつ記事としてご紹介していきます。
私たちの記事も参考にしていただきつつ、ぜひご自分でも調べてみてください。
ポイント3:販売元に問い合わせる
さいごに、成分表示、認証マーク以外の調べ方は、販売元に問い合わせてみること。
「そんな面倒くさいことは嫌だ」
そう思うかもしれません。
でも、時には「面倒くさいお客さん」になるのも「つかう責任」のひとつの方法です。
というのも、販売元、開発元を動かすのは、お金を出して購入してくださるお客さまの声。
しっかり要望を伝えることで「商品」「サービス」は改善されていくのですから。
問い合わせの際は、次のようなことを質問するとよいでしょう。
問い合わせ質問リスト
・「化粧品製造販売業許可を受けている会社の商品ですか?」
→薬機法では「化粧品」に該当するものを、日本国内に流通させたり製造したりするためには、薬機法に基づく化粧品製造販売業許可や化粧品製造業許可を取得する必要があります。・「100%天然植物からつくられる商品について、酸化染料成分が混入していないかどうかの検査を行なっていますか?」
・「オーガニック製品」をうたっている商品に、オーガニック認定機関による認証はありますか?
→例:エコサート(フランス)、USDA(アメリカ)など(『最高のヘナを求めて』P72をもとに作成)
なお、エコヴェーダの販売元、ラクシュミーでは詳しい「商品分析」をHP上で公開しています。
ぜひこの機会にご覧くださいませ。
さいごに:私がこの活動をはじめたひとつの理由
「心地よさ」を原動力にしよう
さいごに、少しだけ個人的な話をしますね。
自然ゆたかな場所に生まれ、夏休みには朝からカブトムシを捕まえ、夜にはホタルを見ながらスイカを食べる……そんな子ども時代の生活は、私が成長するに伴って、少しずつ失われていきました。
カブトムシが集まる樹が、いつの間にかスズメバチだらけになり、それまで当たり前に飛んでいたホタルが珍しいものになっていく……そのことに違和感を覚えながら大人になった時、環境問題の深刻さを、さまざまなデータによって理解し、
「このままだと、本当にまずいことになる…」
「少しでも、できることをしていきたい!」
と、本気で思ったのは、20代前半の頃のことです。
そして、若かった頃の私は、仲間たちと一緒に環境活動に取り組むことにしました。
私たちは、当時「大きなシステム」を変えようとしました。
「経済、システムが変わらなければ、環境問題は解決しない」と思ったからです。
今でも、その考え方は正しいと思います。
一人で行動をしても限界があるので「しくみ」「制度」にアプローチすることは、本当に大切です。
でも、不思議なことに「正しいこと」に取り組んでいるはずなのに、まるで手応えを感じられませんでした。
しかも、真剣に取り組めば取り組むほど「怒り」がわいてくる……
「こっちは真剣なのに、何も気にしないでクラーをつけっぱなしにする人たちが許せない!」みたいな感じで、どんどん嫌なやつになっていました。
正しいことだから、活動は続けたい。だけど、やってもやっても手応えは得られないし、イヤな奴になっていく。。。
そんな日々が続くなかで、私は、あるタイミングで燃え尽きました。
心身ともに疲れ果てて、活動を手放したのです。
そんな若かりし頃の挫折の経験から学んだことは、これです。
正しいことをするのは、とても大切だけど、
正しいだけでも、うまくいかない。
社会とか、経済システムとか「大きなもの」に働きかけていきたいならば、まずは自分が満たすことが大切。
ストイックにがんばり続けても、どこかで無理が溜まります。
だから、社会のために活動したいのであれば「自分にとって心地よい方法」を選ぶのがよいと思うのです。
私は、今、ヘナ、引き算の美容をご紹介することをとおして「環境問題」にも取り組んでいるわけですが、この活動を続けている一番の理由はヘナでケアすることが気持ちいいから!
抹茶のような高級感のある香りに癒されながら、頭皮はすっきりデトックス。
さらに髪まで美しくなる!
コスパも最高!いいことしかありません。
しかも、ヘナは自然そのもの。
ヘナを塗り、自分をケアする時間は、自然とともに生きていることを体感できる貴重な時間です。
「ヘナを塗ることは、これから先もずっと続けていけそうだ。
誰も買ってくれなくても、私が使うからいい!」
そう思ったので、この活動をはじめた……なんて思いもあるのです。
もしかしたら「必死にがんばる」以外の社会の動かし方も、あるのかもしれない!
そんな淡い期待も抱きながら、心地いいことを選んでみました。
さて、この後どこに向かっていくのか……私もとても楽しみです♪
少なくとも、これまでご紹介したようなポイントに心を留めながらヘアケアをすることは環境的にも、身体的にも、そして何より美容の面でもメリットのある方法。
一度、試してみてください。
そして、効果を体感できたら、ぜひ続けてみてください。
それが「持続可能な社会」への確実な一歩になるはずですよ。
さて、今度はあなたの番です。
ここまで読んで、あなたは、どのように感じますか?
これを機に、自分なりの「環境との向き合い方」を考えてみてはいかがでしょうか。
(参考文献)
・『髪 あるがままの美しさを求めて』
・『最高のヘナを求めて』
・『美髪再生 髪にやさしいヘンナをはじめましょう』
コメント