シャンプーが環境問題?環境にやさしい持続可能なヘアケアとは?

シャンプーが環境問題?環境にやさしい持続可能なヘアケアとは? 引き算の美容
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「どうせシャンプーを使うなら、環境にやさしいシャンプーを使いたい」
「毎日使うからこそ、日用品は持続可能な製品を使いたい」

そういった素晴らしい心がけを持つ方が、最近増えているように思います。
地球と自然と社会と人間と。
循環型の環境をつくることは次世代のためにも、今を生きる私たちの責務として確かに存在することだと思います。

今回はそこと向き合っていくために「持続可能なヘアケア」とは?
という視点でシャンプー・ヘアケアについて考えていきましょう。

環境にまで配慮した美しさを

日本でのシャンプーの年間使用量をご存じでしょうか。
これは、年間販売量からの推計になるのですが・・・

なんと年間1億2000万㎘

(引用元:グラフで見る!シャンプーの生産・出荷・価格(単価)の動向© GD Freak! 2022

上のグラフでわかるとおり、2014年以降1億2000万kg前後の出荷販売数量がコンスタントに続いているため、その消費量も年間1億2000万㎘と推計できるわけです。
(ちなみに金額にすると800~900億円くらい)

実はこの数字、先進国では異常な量だといわれています。
ユーロモニターが、世界の週当たりのシャワーの回数とシャンプーの回数について調査したことがあります。

世界のシャンプー使用頻度

(引用元:ユーロモニターインターナショナル© 2022 Euromonitor is privately owned & trademarked.

これをみると、世界的にはシャワーは比較的浴びるとはいえ、シャンプーは2日に1回といったところなんです。
(先進国でいえば、日本とアメリカは平均をオーバーしていますね。)
少なくとも、半分くらいの量を目指してもよさそう。

そして、この1億2000万㎘のシャンプーが川や海に流れていくということも見逃せません
これを想像してみてください。

しかも、多くは自然界で分解されない界面活性剤を使用したシャンプー。
環境に対する影響は少なくないことがわかるでしょう。
環境の視点からシャンプーをみると日本は紛れもなく後進国なわけです。

シャンプーを使うことで、環境までをもイメージできるようになれば、環境は将来的に大きく変わっていくことができるのではないかと思うのですが・・・

海に囲まれた島国の日本は、昔は水のキレイな国でした。
その水が汚れていく。
力がなくなっていく。
そういうイメージを持てる人が少なくなってしまいました。

シャンプーの量減らしてみませんか?

これだけのシャンプーを使うようになった理由を考察し始めると、広告のせいとか、陰謀がとか、結構キリがないのですが、大きな理由の一つとして、消費者が適切なシャンプーの量を知らないということがあると思うのです。

実は、お湯もしくは水で、汚れの8割は取れます

皆さんもシャンプーを使う前に頭を一度お湯または水で濡らした後に、シャンプーを使うかと思います。
その事前に洗うことをを「予洗い」というのですが、この行為で大方の汚れが取れるので、必然的にシャンプー量は少なくて大丈夫なのです。

特に、現代のシャンプー剤は、1990年代のカラーブームで傷んだ髪をカバーするために、保湿剤や柔軟剤入りのものが主流になっています。それらが髪に残りやすい。

その結果、洗っても汚れが取れないような気がして、シャンプーの頻度が増えてしまうようなサイクルを生み出しています。まぁ、その方がシャンプーの販売量が増えて、販売元が儲かるという仕組みもあるのですけどね。

シャンプーは使えば使うほど、頭皮や髪の毛にそれらの溶剤が残ってしまうこと、逆にお湯や水で髪の汚れの8割は取れることを知っておきましょう。

そしてシャンプーの使用頻度は少なくすることをオススメしています。
急にやめると頭が気持ち悪いと感じる人も多いと思うので、2~3日に一度程度から始めるのが良いかと思っています。

髪の洗い方について、さらに詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。

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シャンプーの使い過ぎが現代人の髪を弱くしている

ある美容師さんの言葉を引用させていただきます。

私は約30年美容の仕事をしていますが、経験と直感からいうと、今の若い人は昔の若い人と比べて髪の毛が弱い。髪の毛に生気がない、力がないと感じています。その要因としてシャンプー剤の使いすぎが考えられるのです。

(引用元:美髪再生©塩田鹿納命/メタモル出版)

合成染料やパーマ、合成シャンプーを多く使っているお客様ほど、髪の毛が傷み、不健康になっています。

(引用元:美髪再生©塩田鹿納命/メタモル出版)

といった感じ。長らく美容師を勤めてきた方の視点でも、まさにシャンプーの使い過ぎは髪に良くないことがわかります。

先述したとおり、シャンプーは使うほど、溶剤が髪に残りやすくなります。

また、最近よく見る「洗浄力の強いシャンプー」=皮脂をとりすぎる「間違ったシャンプー」を使うことで、さらに頭皮環境は悪化します。

その仕組みはこうです。

  1. 皮脂がとれすぎると、頭皮は乾燥してしまいます。
  2. すると、身体は「脂を必要としている」と察知し、脂をどんどん出すようになります。
  3. このようなメカニズムが働きつづけると、地肌は脂ぎった状態になり、ひどいときは髪全体がべっとりしてしまいます。
  4. こうなると、毎日シャンプーをせざるを得なくなりますし、もっと洗浄力をシャンプーを求めるようになっていきます。

そうして、さらに洗浄力が強いシャンプーを使うと、また皮脂が取れすぎて1.に戻ってしまう。

間違ったシャンプーの使い方と負のスパイラル

その負のループが頭皮環境を悪くし、ひいては髪を弱らせていくのです。

地球のために私たちができること

私たちはいろんなところで、余計なことをしてしまいます。
大量消費社会で、毎日大量の情報と商品に触れているのですから、欲しくなくても知らず知らずのうちに余計なモノを買ってしまいがちなのはよくわかるのです。

しかし、その大量消費こそが、いろんな歪みを生んでいることを知っておいた方が良いと思います。
健康、環境、家計、そのどれもに過剰な負担をかけていませんか?ということです。

シャンプーでいえば、お湯や水で8割の汚れが落ちるのに、良かれと思ってシャンプーを使う
その繰り返しが、髪の毛に汚れを残しながら、負担をかける。
そして使用された合成染料などは、水に流されて川や海に流れ、土にも入り込み残り、なかなか分解されず、環境に負荷をかける。
さらには自然界で生きる魚や動植物にダメージを与える。
それら分解されない有害物質の流れた川や海で育った魚や、有害物質のしみ込んだ土で育った植物を人間が食べ、その身体を蝕む。

本来必要のない習慣を続けることで、私たちはこの負のスパイラルを生み出しています

そんな中、私たちが地球のために、体のためにできることは、まず「減らすこと」「余計なことをしないこと」だと思うのです。

適量を知り、その適量をさらに「身体にも環境にも良いもの」へと変える
そうすることで、地球と自然と社会と人間=身体とを無理なく循環させることができる。
それこそ持続可能なヘアケアとなっていくのではないでしょうか?

そして、それが次世代に対する大人の責任といえるのではないかと私たちは考えています。

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