フェア・トレード保証するFair for Life認証とは?|認証マーク解説:第1弾

持続可能性
この記事は約11分で読めます。

みなさんは、日常で商品を購入する際、どれぐらいの認証マークを意識しているでしょうか?
ヨーロッパやアメリカなどに旅行先で見かけて、意識し始めたという方も多いかもしれません。
日本では認知不足もあり、取得している企業や商品が少ないのが現状です。

その中で、eco.veda商品はさまざまな種類の認証マークを取得しています。
ただ、日本社会では認知度が低いものも多く、認証マークだけを見ても「これは一体どいう意味だろう…?」と疑問だけが残る場合も多いのではないでしょうか。
実は、わたしもそのひとりでした。

そこで今回は、eco.vedaの商品群が取得している認証マークをベースにしながら、それぞれのマークがいったいどのような意味を象徴しているのか、ご紹介したいと思います。
シリーズ第1弾としてご紹介するのは、フェア・トレードを認証する Fair for life(フェア・フォー・ライフ)認証です。

Fair for Life認証とは?

「Fair for Life(フェア・フォー・ライフ)認証」は、生産者の尊厳のある生活を守り、生産者と企業、従業員と雇用者、販売者と購入者の間で、公平で平等な関係が保たれていることを認証しています。
ざっくりといえば、経済・社会・環境の3点において、フェア・トレード(公正な取引)ができている商品に付与されるものです。

そもそもフェア・トレードとは?

最近、よく耳にするフェア・トレードですが、どのような背景 / 目的から生まれてきたのでしょうか?まずはフェア・トレードという言葉が生まれた背景である歴史をたどってみましょう。


大航海時代が始まった16世紀以降のヨーロッパでは、各国が海外に進出し競うようにして、南米・アジア・アフリカを植民地化して行きました。時には武力行使も行いながら、現地の人々を安い労働力として使うことで大規模農園(プランテーション)をつくり、綿花やタバコなど市場価値の高い農産物を大量生産することで、大きな利益を得ていました

植民地化の歴史は第二次世界大戦を経て、アジア・アフリカ諸国が独立をしていくことで終わりを告げます。ただし、独立した国々は経済力が弱く、植民地時代と同様に「お金になる農産物」をつくり輸出していく必要がありました。しかし経済力が弱いため、先進国と貿易をする場合には、植民地時代と同じように経済的に強い国が買取価格を決められてしまいます。よって、製品を作っても適正な利益を得ることができないという不公平・不平等な貿易が続いていました。

その連鎖を断ち切るための動きが始まったのは、第二次世界大戦後の1947年アメリカです。NGOボランティアをしていた女性が、プエルトリコの貧民街で手工芸品を買い取りバザーなどで売り出したのが始まりと言われています。その後、ヨーロッパでも同様の動きが始まりましたが、当時は「かわいそうな貧しい人たちを助けよう、少しでも楽な暮らしができるようにしよう」という倫理的な考えを軸がベースでした。

1960年代に入ると「ただ助けるのではなく、途上国の人が自立できる仕組みをつくろう」という動きが加わり、欧米ではフェア・トレードを専門とする団体やショップが生まれます。そして、フェア・トレード市場拡大の波が訪れますが、1980年台に入る頃にはこの波が停滞してしまいます。その原因は「商品の品質」にありました。
フェア・トレードを選ぶ人々は、商品の品質よりも、途上国の生産者を助けたいとう倫理的な気持ちが強い人が多かったため、品質を重視して製品を購入する一般消費者には選択されなかったのです。

そこで一般消費者をターゲットに含めるため、フェアトレード団体の多くが企業化をし始め、そこから一般企業がフェア・トレードに参入するようになりました。

フェア・トレード認証がうまれた経緯は?

その流れの中で、1989年に最初の「フェア・トレード認証」がうまれました。
「お金になる」と考えた企業が続々と参入する中、一般消費者からすれば「フェア・トレード」と自社で謳っている商品が、本当にフェア・トレードなのか判断できる情報がなかったためです。

初めてのフェア・トレード認証はIFAT

初めてのフェア・トレード認証は、オランダのフェア・トレード団体とメキシコのコーヒー生産者が中心となって第三者機関が監査し認証するしくみを作りました。ここで生まれたのが、第三者機関である「国際フェアトレード連盟(IFAT:International Federation of Alternative Trade)」です。

フェア・トレードの基準統一のために生まれたFLO

この「フェアー・トレード認証」の動きは1990年代に先進国に広がりを見せ、多数の認証マークや基準が生まれました。そのため、その基準を統一するための組織として1997年に生まれたのが「国際フェア・トレード・ラベル機構(FLO:Fairtrade Labelling Organizations International)」です。

FLOでは、大企業による搾取から生産者を守るということが念頭にあったこともあり、大規模な企業や運営基盤を持つ団体の参加が多くが参加しました。その反面、FLOが承認基準を明確にできたのは原材料がシンプルな製品のみで、手工芸品や衣服などは原材料や製法が無限にあるものに対しては、基準を設けることができませんでした。

そのため、フェア・トレードの恩恵を受けるべき手仕事の職人たちが、フェア・トレード認証を使用することができないという課題が残りました。また、FLO認証を製品につけるには、小売価格の1%をFLOでへ払う必要があり、販売者の負担になっているという背景がありました。

▼FLO公式サイト(日本語)
https://www.fairtrade-jp.org

個人や小規模団体も参加できるようになったWFTO

そこで、手仕事職人たちために生まれたのが、各国のフェア・トレード団体で構成された「世界フェア・トレード機構(WFTO:World Fart Trade Organization)」です。こちらは、上記であげたIFATが立ち上げました。2000年代後半から独自の認証システムを作り、最終的に2014年から「WFTO認証ラベル」が市場に出回るようになっています。

WFTOは10の指針と約100の基準をクリアした生産者が参加できますが、基準の達成度については外部組織による監査がなく、自己申告での努力目標に至っている点が課題と言われています。

▼WFTO公式サイト(英語)
https://wfto.com

オルタナティブなFair for Lifeの認証制度

FLOが大企業の製品に対してのフェアトレードを認証するシステムとして、WFTOは小規模団体がフェア・トレード実現するための認証団体として機能していますが、Fair for Life認証は、どんな基準で、どんな機関が認証しているのでしょうか。

Fair for Life認証の認証機関

Fair for Life認証は、元をたどると、スイスのエコロジー団体(IMO swiss AG、the Swiss Bio Foundation)によって2006年に作られました。そこから2014年に有機認証を行うECOCERTに引き継がれます。そして、2016年に有機審査基準に加えてフェア・トレードの基準が加わった総合的な認証システムとしてFair for Life認証が生まれました。

Fair for Life認証は、FLOやWFTOの課題を克服すべく、対象となる製品に対しての制限をなくし、農産品、原料、各種工芸品などの認証も可能な仕組みをつくりました。この仕組みができたのは、認証団体であるECOCERTが有機認証の分野においての長年の経験とネットワークがあるからこそ実現したシステムと言われています。

それでは、実際にどのような基準があるのか見ていきましょう。

2種類の認証

実は、ECOCERTから発行されているフェア・トレード認証は2つに分かれています。
1. 組織に対する認証基準
2. 製品 / 商品に対する認証基準
eco.vedaに付与されているのは、製品に対して与えられる「Fair for Life認証」です。

名称 For Life Fair for Life
マーク
対象 組織 製品
認証する内容 企業(法人)の社会責任認証
“Corporate Social Responsibility” certification
公正な貿易と責任ある調達認証
“Fair Trade and Responsible supply-chains” certification

Fair for Life認証が目指す6つの目的

ここでは、さらに詳しくFair for lifeについて、みていきましょう。
Fair for Life認証では、公正・公平な取引を行うために、6つの目的の達成を掲げています。

1) 生産者と労働者が、経済的に発展した国でもそうでない国でも、公正な賃金で、良好で尊重された条件の下、持続可能な環境で働くことを保証する。

2) フェアトレードプロジェクトをモニタリングできるフレームワークを提供することで、フェアトレードプロジェクトの影響力の改善を時間とともに図る。

3) 企業がフェアトレードの原則に従って長期的なパートナーシップを構築できる枠組みを提供する。

4) 組織や企業が、社会的および環境的な進歩と責任に対して一貫した実用的なアプローチを採用するよう奨励する。

5) 組織や企業に対し、明確で透明性のあるコミュニケーションを提供し、生産地から消費者までの完全な物理的トレーサビリティを保証するよう奨励する。

6) 幅広いフェアトレード製品を消費者が利用できるようにし、責任ある消費者としての影響力を認識してもらい、購入決定にプラスの影響を与える。

Fair for Life認証の認定基準

Fair for Life認証は後発の認証制度ということもあり、FLO認証基準やISEAL基準など複数の基準をベースに公平・公正な取引が最大化するよう基準が設けられています。
全ての基準を共有すると膨大になってしまうので、ここでは大きな6つのカテゴリーと基準の観点を共有します。もっと詳しく知りたい方は、こちらの資料(英語)を参照ください。https://www.fairforlife.org/client/fairforlife/file/Standard/Fair_for_Life_Standard_EN.pdf

<社会的責任>
・強制労働
・結社の自由と団体交渉
・児童労働と若年労働者の保護
・処遇と機会の均等
・懲戒処分
・健康と社会
・雇用契約・条件
・賃金
・社会保障・社会給付
・労働時間と有給休暇
・正規雇用
・人材育成
<環境責任>
・水の保全
・エネルギー管理と気候変動
・気体・液体の廃棄物管理
・廃棄物管理
・生態系管理、生物多様性と野生生物
・包装
・生物多様性と野生生物
<地域への影響>
・正当な使用の権利
・生物多様性と伝統知の活用
・地域発展への貢献
<サプライチェーンマネジメントにおけるフェアトレード>
・長期的な協力体制
・契約とボリューム
・定期的なコミュニケーションと交流
・製品の品質
・金融へのアクセス
・タイムリーで確実な支払い
・販売価格
・フェアトレード発展基金
・サプライチェーン内の共有付加価値
・加工職人団体の追加要件
<雇用とキャパシティビルディング>
・グループにおける生産者利益
・グループ内で最も恵まれていない人々を支援する
・多様化と自律性
・フェアトレード基金の運営・運用
<消費者への敬意>
・マーケティングおよび広告手段
・トレーサビリティ
・認定成分の最低基準
・フェアトレードのサプライチェーンとその影響に関する透明性
・フェアトレードに関する教育・啓発
・非認証成分の特徴

上記をみると、雇用環境、環境への配慮、生産者の自立性のサポート、サプライチェーン内で安定供給のサポート、消費者への取り組みなど、商品を流通させる上での観点など、多岐にわたった基準が設けていることが見てとれます。

▼Fair for life公式サイト(英語)
https://www.fairforlife.org

フェア・トレード認証まとめ|比較表

今回ご紹介をした認証を簡易的にまとめました。
購入の際に注意が必要なのは、WFTOのマークです。
先ほどご紹介したように監査の基準がゆるく「努力目標」とし掲げられているため、購入の際は商品に対してリサーチをかけた上で購入することをおすすめします。

機関名 IFAT FLO WFTO Fair for life
発行年 1997年 2014年 2016年
ロゴ
特徴 世界初のフェア・トレード認証を発行し、のちにWFTOへ フェア・トレードの世界的統一基準を設定 小規模団体へのフェア・トレード基準を設定 有機認証機関のECOCERTの監査力にフェア・トレード基準を追加し網羅的
対象 大企業 個人 / 小規模団体 大企業 / 個人 / 小規模団体
基準 / 監査の厳格さ

Fair for Life認証 取得商品一覧

KAMI.llcにて取り扱う商品のうち「Fair for Life認証」を取得している商品は以下の通りです。
ご利用の参考にしていただければ幸いです。

eco.veda ヘアカラー|天然ヘナ等、オーガニック植物を原料のヘアカラー

シャンプー・トリートメント|100%オーガニック植物の新感覚のパウダーシャンプー

 

おわりに

今回は、eco.veda商品の認証マークの一つ、Fair for Life認証に絞ってまとめました。
フェア・トレードの認証基準の中でも、Fair for Life認証は、働く人、働く地域、地球環境、そして消費者にとっても、公平で公正な商品であることを商品するために包括的な観点から基準を設けています。特に、大企業、個人、小規模団体への監査もしっかりと行っているため、Fair for Life認証のついた商品は、フェア・トレード(公正な取引)製品として安心して購入できるものと言えそうです。

今後、買い物をするときには、各種フェア・トレード認証があるのか、ない場合はどのような価値観で商品 / 製品が作られているのかを気にかけながら選択を行うことで、地球規模でのサステナブルな暮らしへの貢献ができそうですね。

今回の調査の際に、公式サイト(英語)等を確認しての情報整理を行ってるため、不備や間違いがあるかもしれません。また、基準などの情報更新が間に合っていないこともあります。もし、お気づきのことがありましたら、ご連絡いただけると幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました