髪のダメージについての悩みはつきませんよね。
放っておいても、いつの間にか髪の毛の傷みが進行してしまいます。
実は知らず知らずのうちに、髪に悪い習慣をしていたとしたら、どうしますか??
何もしていないつもりでも、実は何気なくやっている行為が、髪にとってはダメージになっているのかも……
なかには髪に良かれと思ってやってることも、髪にとっては致命傷だったりすることもあるのです。
今回は髪が傷むメカニズムについて、詳しく解説していきます。
ヘアカラー(ブリーチ)、パーマのダメージ
強力な化学物質を使ったヘアカラー、パーマのダメージは、毛髪や頭皮に深刻なダメージを与えます。
化学物質によるヘアカラーのダメージ
(『最高のヘナを求めて』(P26)©茅花舎/森田要をもとに作成)
いわゆるヘアカラーは1剤と2剤という化学物質を混合させて使用します。
ヘアカラーの1剤には酸化染料・アルカリ剤・界面活性剤が含まれ2剤には過酸化水素が含まれています。
これらの薬剤が化学変化を起こすことで髪は染まるのです。
そして1剤の酸化染料として使用されるのが、発がん性があるといわれるパラフェニレンジアミンやパラアミノフェノールなどなのです。
ヘアカラーのしくみ
まず1剤のアルカリ剤が髪の毛のキューティクルを開いて、内部に化学物質が浸透しやすい状態にします。
その状態で、2剤の過酸化水素がメラニン色素を分解して脱色する、いわゆるブリーチの状態になります。
そして、カラー剤の1剤の酸化染料が2剤が混ざることで酸化し、発色させ、定着させる役割を担います。
ヘアカラーのダメージの結果
キューティクルを開き、メラニン色素が破壊された髪は、髪の中の間充物質(水分やタンパク質)がどんどん外へ流出していきます。
その結果、髪の毛がパサパサと傷んだ状態になります。
また、2剤の過酸化水素は、漂白剤にも使われる成分。メラニンを破壊して脱色するだけでなく、色素を生成するのに必要な酵素「チロシナーゼ」まで壊すといわれています。
使用を繰り返していると、髪の色を保つのが難しくなってしまう。
つまり、いわゆるヘアカラーをすればするほど、髪は傷み、白髪が増えることになるのです。
パーマのダメージ
パーマは、髪を構成しているタンパク質の結びつきを、パーマ液によって一度壊し、ウェーブがつくように曲げた状態(ストレートパーマの場合はまっすぐにした状態)で再結合させることで、髪を変形させます。
パーマのしくみ
パーマ液にも1剤と2剤の溶液があります。
1剤はチオグリコール酸などをアルカリ剤で溶かして使用する溶剤。
2剤は臭素酸ナトリウムや過酸化水素などをとかして使用する溶剤です。
ヘアカラーのときとなんだか似ていますね。あとは以下同文みたいな感じです。
1剤で、髪の毛の90%を占めるコルテックス(毛皮質)の繊維状の束を結合させているシスチンの結びつきのSS結合を破壊します。そして2剤で切断したシスチン同士をねじれた状態で結合させ、ウェーブがかかった状態(ストレートパーマの場合はまっすぐにした状態)で固定するのです。
パーマのダメージの結果
アルカリ剤がキューティクルを開くので、毛髪から水分やタンパク質が流出し、髪の毛がパサパサになります。
また、過酸化水素はメラニン色素を破壊する働きがあることが白髪が増える原因になります。
縮毛矯正のダメージは大きい!
さらにえいば、このパーマに熱を加える『ホット系パーマ』と言われるものは、髪の毛に大きなダメージを与えます。
主に代表的なのは、デジタルパーマや縮毛矯正などですね。
そんな縮毛矯正には3つのステップがあります。
基本的には、1剤を塗布する→アイロンをかける→2剤を塗布するという工程です。
アイロンの温度は実に150℃~180℃。
パーマ剤のほか、熱によって強制的にカールをつけたり、くせ毛を真っすぐにストレートにするのですが・・・
お察しいただいてるとは思いますが、これまでに説明したダメージ+熱のダメージをうけるので、ダメージはさらに大きくなるというわけです。
では続いて、熱によるダメージについて見ていきましょう。
アイロン(熱)、ドライヤー、ブローによるダメージ
熱は、乾かすのを助けたり、髪を柔らかくして整えやすくする役割を果たしますが、うまく利用しないと髪が傷む原因にもなります。
熱を与えすぎてしまうと、タンパク質が変性してしまいダメージとなるのです。
たとえるなら、ゆで卵がわかりやすいですね。
生卵を熱すると固まるように、キューティクルやコルテックスが固まってしまいます。
ダメージの基準は100℃以上
100℃以上になると、髪のタンパク質が変性していきます。
具体的には100℃以上の加温の繰り返しで、毛髪内部のタンパク質が部分的に変性して、内部の空洞が増加します。
ドライヤーによるダメージ
ドライヤーで100℃以上になることはほとんどないですが、当て過ぎないように注意しましょう。
1200W のドライヤーから10cm以上離れると90℃以下、濡れていると毛髪の表面温度は上がらず、せいぜい60〜70℃程度です。
なので、乾いた髪に熱を当て続けないようにさえ注意すれば、空洞が増加が進む100℃以上になることはほぼありません。
ヘアアイロンによるダメージ
逆にヘアアイロンは確実に髪の毛にダメージを与えます。
アイロンは100〜200℃以上の温度設定のものが多いためです。
間違いなく髪のタンパク質が変性していく。
さらにその高温の状態で、こする、引っ張るという行為におよぶため、キューティクルが大きく脱落します。
高熱になった髪を強く挟んで引っ張りすぎた結果、髪の毛が伸びきって戻らなかったり、うねりが発生したり、感触が劣化し、枝毛・切れ毛ができやすくなるのです。
濡れていると傷みやすい
毛髪は濡れていると、乾いているときよりも髪が柔らかく、こすれたり引っ張る、より小さい力で最表面のうろこ状のキューティクルが削れたり剥がれたり、髪が伸びきったりします。
髪をセットする際に、いったん濡らしてドライヤーをかける人も多いはず。
それでセットできてしまう理由がこれなんですね。
他のダメージの原因に比べれば影響がすくないようにみえますが、実は他のダメージの原因と組み合わさることで、髪に大きなダメージとなることがあるので、注意しましょう。
塩素によるダメージ
塩素濃度の高い水に長時間毛髪がさらされると、キューティクルのタンパク質が変質し、毛髪表面のなめらかさが失われ、キューティクルが剥がれやすい状態になります。
特に濡れた状態で髪がこすれると、キューティクルが剥がれやすいです。
キューティクルが薄くなると、毛髪内部のタンパク質の変質や流出が起こりやすくなり、髪の色も抜けやすくなります。
水泳の際に、スイミングキャップをかぶるように言われるかと思いますが、塩素濃度の高いプールでは、水を通さないゴム製のキャップは、このダメージの予防になったりします。
紫外線(日光)のダメージ
髪が紫外線を強く浴びると、簡単にいうと火傷状態になります。
太陽光=紫外線を強く浴びることで、髪の表面の脂質(MEA)が損なわれ、タンパク質も壊れてキューティクル層間の結びつきが弱まり浮き上がりやすくなります。
そのため、まず、ガサガサと手触りが悪くなり、より小さな摩擦でキューティクルが削れたりはがれたりしやすくなるのです。
また、太陽光・紫外線の強い季節は、汗や暑さの不快感から、シャワーを良く浴びるようになる傾向があります。
すると、シャンプーと乾燥を繰り返す頻度が高くなり、キューティクルが傷みやすい環境にもさらされてしまいます。
その結果、毛髪のタンパク質やメラニン色素が壊れ、髪の成分が流出しやすくなります。
こうして髪は空洞が増え、コシ(弾力)がなくなったりゴワついたりして、しなやかさが低下し、ツヤがなくなってしまうのです。
海水浴の通い過ぎにも注意!
メラニンの分解は可視光によるものですが、実は水があると反応が進みやすいです。
濡れた状態で強い日差しを長時間浴びる海水浴やプールなどでは、メラニンの分解が進むうえに、髪の成分が即座に水に流れ出て、色抜けしやすいのです。
たとえば、サーファーの人たちは髪が明るい方が多いと思いますが、その理由の一つがこの影響かもしれません。
紫外線を浴び続けることでキューティクルが損傷を受け、メラニンが壊れ、髪が少しずつ明るくなるのです。
ブラッシングのし過ぎによるダメージ
必要以上にブラッシングをすることで、髪の表面のキューティクルを傷つけることになります。
また、強すぎるブラッシングで頭皮を傷つけることもあります。
特に頭皮に傷や炎症がある場合は、症状が悪化してしまう可能性もあるので、注意しましょう。
あくまでブラッシングは適度に。
また、髪の毛がもつれて、ブラシにひっかかった際にも注意が必要です。
無理に引っ張ると、枝毛や切れ毛の原因になるだけでなく、成長毛まで引き抜いてしまって毛根にダメージを与えかねません。
濡れてるときのブラッシングはとても危険!
髪は濡れるとキューティクルが開くので、ブラシの摩擦は無防備な状態の髪に大きなダメージを与える可能性があります。
ブラッシングをする時は、タオルやドライヤーでよく乾かしてから行うようにしましょうね!
カットによるダメージ
カットした髪の断面は内部がむき出しになるので、間充物質(水分やタンパク質)が流出しやすく、パサつきの原因になります。
なので、断面はなるべく小さい方がよいです。
断面積が小さい方が髪にはダメージが少ない。
その断面積の大きさは、髪の切り方・ハサミの状態で変わってきます。
切り方でいえば、なるべく直角に切った方が断面積は小さくなりますし、
ハサミの状態でいえば、ちゃんと研磨されたよく切れるハサミでないと髪が裂けてしまいます。
とはいえ、美容院に行った場合、髪の切り方やハサミの状態を選ぶことはできませんよね。
せめてもの見極めとしては「ハサミを大切に扱っているか?」で選ぶといいでしょう。
ハサミを大切にする美容師は、髪に対して真摯ですし、腕が良いことが多いです。
傷んだ髪は元通りにならない
ここまで、髪のダメージの原因についてみてきました。
いかがだったでしょうか?
髪の毛のダメージを受ける原因は意外と多かったですね。
「全部気をつける」なんて難しい!
だけど知っておいて欲しいのです。
なぜなら、一度壊れた髪の毛は、二度と元には戻らないからです。
髪の毛には自浄作用がありません。
だから、元のコシやツヤを取り戻すには切るしかない。
「えっ、トリートメントしたら、治ったけど・・・」
と思った方もいるかもしれませんが、残念ながらちがいます。
あれはトリートメントの強い皮膜で見た目上、キレイにみせているだけ。
中身は元に戻っていません。
なので、トリートメントをしなくなると、当然のように傷んだ髪があらわれます。
傷んだ髪が出てくると、「またトリートメントしなきゃ」と思うから、トリートメントが売れるのです。
まずは知ることが大事
だから、まずは知ることが大事なのです。
事実を知らずに髪の毛にダメージを与えていた方も多かったんじゃないかなと思います。
そうなんです。
実は、このようなダメージについて説明を受ける機会って意外と少ないんですよね。
なぜなら、みんながダメージについて知ってしまうと、それらの商品が売れなくなる可能性が高いから。
美容院はコンビニよりも多く全国25万店舗もあります。
そうでなくても競争が激しいなかで、美容院も必死です。
そんななかで「カラーリング」「パーマ」は売上の柱となるもの。
「髪にダメージが出るかもしれない」とは思っていながらも、自分や家族、従業員たちを守るためには、言い出せないことがあっても不思議ではありません。
また、ほかの方法を知らない方もいるかもしれませんし、「お客さんが望んでいるのだから、リクエストに応えよう」と思いながら、髪のダメージの原因となるサービス提供している可能性もあるでしょう。
いろんな事情があるなかで、自分の「髪」を美しく保ついちばんの味方は、あなた自身。
まずは、事実を知りましょう。
そして、自分は何を望むのかを考えてみてください。
髪によいケアをしていくのか、それとも髪が傷む美容をつづけるのか……
選ぶのはあなた自身なのですから。
髪は治らないが、頭皮は整えられる
傷んだ髪は戻らないことは事実です。
でも、対策はあります!
「地肌を整えながら、新生毛が伸びるのを待つ」のです。
地肌を整えるにはまず次の3つが大事になります。
- カラーリング&パーマをしない
- 洗髪の回数とシャンプー剤&トリートメント剤の量を減らす
- 傷んだ髪を切りながら、整える
何かを加えるのではなく、「減らす」意識で取り組めばいいのです。
実はこれはとても経済的な行為でもあります。
パーマ代、カラー代、カット代が減るので、お金がたまりますw
とはいえ、この根本治療は時間がかかります。
しかし、見せかけだけの対処療法でなく、自然な美しさを取り戻す根本治療はこれしかありません。
「3年かけてキレイな髪に戻そう」
引き算の美容ではそのように提案しています。
3年もすると、新たな地毛がある程度の長さになるので、傷んだ髪をカットして、健康な髪を取り戻すことができるのです。
髪のダメージにはヘナがおすすめ
また、上の3つに加えて、ヘナを使うことをオススメしています。
ヘナはインドでは古くから使われてきた薬草です。
その効能は「皮膚病の予防」「やけど」「打撲」「おでき」「皮膚の炎症」などなど。
ヘナをすることのメリットは大きく二つ。
- ヘナで髪の毛をコーティングすることで、髪の中の水分やタンパク質の流出を防ぐことができます。
- 古くから薬草に使われたように、頭皮の環境を良くします。特に炎症に強い。
壊れた髪をカットしながら、その断面をヘナでコーティングすることで、髪の成分を担保する。
同時に頭皮環境を良くして、新生毛の成長を促すことができる。
続ければ、どんどん、髪は本来の姿を現し、あなたらしい美しさを取り戻すことができます。
手間や時間がかかるように思えるかもしれません。
でも、ダメージの原因を根本的に解消したいのであれば「発想を変えること」がとても大切。
ヘナを使ったことがない方も、ヘナに挫折した方も、一度、ダメージケアとしてのヘナトリートメントを試してみませんか?
※※※※※※※※※※
ヘナについて疑問点などがありましたら、ぜひKAMI.llcメンバーにお気軽にご相談ください。
私たちの仕事は、みなさまが「自分らしい美しさ」を取り戻す旅に同伴すること。
みなさまからのお問合せ、お待ちしています^^
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