”ヘナの色落ち”は困りますよね。
海水浴で滴る水が茶色くなってびっくりしたり…
場合によっては、洋服が汚れてしまったり…
今回は”ヘナの色落ち”を防ぐために、ヘナの特徴をもっと詳しくみていきましょう。
ヘナが染まるしくみ
ヘナの葉には、赤色色素のローソン(lawsone)が含まれており、これがタンパク質にイオン結合して絡みつき色を付けます。
髪の毛の主成分は、ケラチンというタンパク質でできており、ヘナで白髪染めをすると白髪の部分にヘナ本来の色である赤茶系の色が入り染まります。
ヘナには収斂作用がある
そしてヘナには収斂作用(しゅうれんさよう)というのがあります。
難しい言葉ですが、簡単にいうと髪の毛を引き締める効果ですね。
ヘナの成分がタンパク質(ケラチン)と結合する際に、組織を変性させて組織や血管を引き締めるしくみがあるのです!
「ヘナをして髪の毛にコシが出てしっかりしました!」
というお声をいただくことがありますが、それはこの収斂作用のおかげです。
ちなみに、髪の毛のキューティクルの主な成分であるケラチンを引き締めるという事は、髪の毛や頭皮を丈夫にしますので、抜け毛の改善効果も期待できます。
そして、この収斂作用を知るにはpH値というのが大事になります。
pH値(ペーハー値)とは?
pH値とは、その液体が酸性なのか、アルカリ性なのかを表す尺度です。
単純に酸性・アルカリ性ときいてもピンとこないかもしれませんが、
「弱酸性がお肌にいい」
というのを聞いたことありませんか?
「弱酸性」がお肌にやさしい理由
「ビ●レママになろう、弱酸性ビ●レ♪」
なんて、響きが耳に残っている人も多いかと思います。
スキンケア商品ではよく「弱酸性」がうたわれるわけですが、その理由をご存知でしょうか?
それは健康なお肌が「弱酸性」だからです。
人のお肌は、皮膚の表面に存在する常在菌が皮脂腺から分泌された皮脂の脂肪酸を分解することで、肌のバリアである皮脂膜をつくる機能をもっています。
脂肪”酸”を分解してこのバリアをつくりますから、肌が弱酸性であることは、この機能を保っている証拠となるわけです。
つまり、弱酸性のお肌は、外の刺激から守られ、引き締まったキレイなお肌になるわけです。
なので、スキンケア商品も「弱酸性」の方が、その機能をお手伝いできるし、お肌に合っているよね!ということになるのです。
髪のpH値も弱酸性
では髪の毛のpH値はどうでしょうか?
髪の毛は、タンパク質と水分でできています。
成分はお肌と同様。
つまり、髪の毛も「弱酸性」が健康な状態なんです。
上の図でもわかるようにpH値でいうと4.5~5.5くらいが理想的と言われています。
弱酸性であれば、髪は守られ、引き締まるというのはお肌と同じ。
なので、髪の毛にも「弱酸性」の方が相性がいいわけですね。
(逆にアルカリ性に傾きすぎると、キューティクルが開いて髪が不健康になってしまいます)
ヘナもお肌や髪と同じ弱酸性
そして、ヘナ自体もお肌と同じ弱酸性です。
余計な化合物が入っていない限り弱酸性になるでしょう。
そして、ヘナを染める際に使うお湯も弱酸性の方が、染まりもいいですし、色落ちもしにくい。
逆にアルカリ性の環境下では染まりが悪くなりますし、ヘナ染めの後、アルカリ性のものに触れていくと色落ちをしやすくなるわけです。
ヘナの色落ちの原因・対策
さきほども書いた通り、ヘナはアルカリ性と相性が悪いです。
ヘナの色落ち・染まりづらさの原因は、主にこの「アルカリ性」といっていいでしょう。
なので、対策はアルカリ性を避けることになります。
アルカリ性のお湯を使っていませんか?
ヘナ染めをする際に、アルカリ性のお湯を使っていませんか?
「家でヘナ染めすると、染まりが悪いな」というときは、地域の水質を確認してみてください。
温泉街なんかですと、水質がアルカリ性になっている可能性があります。
海水もアルカリ性ですから、「なんか良さそうだから海水で・・・」みたいなことをすると染まりがわるくなるので、ご注意ください。
(参考)石鹸:pH7~10、重曹:pH8.5、海水:pH8~8.5
強アルカリ性:pH10以上
アルカリ性:pH8.5以上
弱アルカリ性:pH7.5以上8.5未満
石鹸シャンプーはアルカリ性なので相性が悪い
シャンプーも注意点があります。
シャンプーには石鹸系、アミノ酸系、高級アルコール系など種類があります。
この中で石鹸系シャンプーはアルカリ性なので、特にヘナとの相性が悪いです。
逆にアミノ酸系は相性の良いシャンプーになります。
ちなみに、ヘナと抜群に相性の良いおすすめのシャンプーはこちらです。
汗はかきすぎるとアルカリ性に・・・
人のお肌は弱酸性が理想の状態ですが、汗をかきすぎるとお肌はアルカリ性に傾き始めます。
汗ばむ夏場はアルカリ性に傾きやすいことをしっておきましょう。
夏場、ヘナをして2~3日は白い襟のシャツは控えた方がいいかもしれません。
特に髪の長い方は、首筋は洗い残しが発生しやすくヘナが残っていることがありますから、白い襟のシャツは注意が必要なことを知っておいてください。
海水浴も注意
先ほどpH値の例を出しましたが、海水もアルカリ性が強いです。
サーフィンや海水浴がご趣味の方が、髪が傷みがちなのは、これが一つの原因になっています。
髪の毛がアルカリ性に傾いて、キューティクルが開き、髪の毛の水分が外に流出しやすいわけですね。
ヘナという観点でも、ヘナ染め後、時間をあけず海水浴にいくと、色落ちがしやすいです。
「海水浴をしたら、茶色い水が滴った」
というお声がたまにありますが、これが原因なのです。
ヘナ後の海水浴を避けようとまでは言いませんが、色落ちが起こりえるよということを知っておいてください。
(もちろん、サーファーや海水浴で傷んだ髪にもヘナは効果がありますので、是非ご使用ください!)
まとめ
ここまで、ヘナの色落ちの原因と対策でした。いかがだったでしょうか?
まとめますと・・・
- お肌も髪も「弱酸性」が理想的
- ヘナは「弱酸性」
- お肌も髪もヘナも「アルカリ性」とは相性がイマイチ
- ヘナの色落ちは「アルカリ性」の何かが関係している可能性が高い
というところです。
もちろん「アルカリ性」がすべて悪いというわけではないですが、殊に髪やヘナとの関係性では相性が悪いことを知っておいてください。
以上のことをふまえたうえで、ご自身のヘアケアを改めて見返していただければと思います。
この記事が役に立ったり、新たな発見につながればうれしい限りです!
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