コーシャ認証とハラル認証|認証マーク解説:第5弾

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みなさんは、日常で商品を購入する際、どれぐらいの認証マークを意識しているでしょうか?
ヨーロッパやアメリカなどに旅行先で見かけて、意識し始めたという方も多いかもしれません。
日本では認知不足もあり、取得している企業や商品が少ないのが現状です。

その中で、eco.veda商品はさまざまな種類の認証マークを取得しています。
ただ、日本社会でまだまだ認知度が低いものも多く、認証マークだけを見ても「これは一体どいう意味だろう…?」と疑問だけが残る場合も多いのではないでしょうか。
実は、わたしもそのひとりでした。

そこで今回は、eco.vedaの商品群が取得している認証マークを基準にしながら、それぞれのマークがいったいどのような意味を象徴しているのか、ご紹介したいと思います。
シリーズ第5弾としてご紹介するのは「コーシャ認証」と「ハラル認証」です。

コーシャとは?

コーシャの由来は「コシェル (適正な) 」というヘブライ語(イスラエルの公用語)で、主に旧約聖書に基づいたユダヤ教の食事規則のことです。敬虔なユダヤ教徒は、3000年前の昔から現代まで、その規律を厳格に守って生活しています。

規則には、食べてよい食物と食べてはいけない食物が厳格に決められており、大きく3つの規定があります。

1.  禁止された動物を食べてはならない(牛、羊、ヤギ、鶏、七面鳥等以外の肉類、 イカ、タコ、カニ、エビ、サメ、貝類などウロコのない魚介類、その他昆虫等を禁止)
2. 肉と乳製品を同時に食べてはならない(食器や調理用具も肉用と乳製品用に分ける)
3. 肉はコーシャ処理をする(ラ ビが自らユダヤ教の宗教規定に従って食肉処理・解体する)

そのほか食品以外にも、設備、道具、製造 過程、パッケージ等まで、さまざまなルールが規定されています。

コーシャ認証とは?

コーシャ認証とは、ユダヤ教徒の人が上記の決まりに則った生活ができるよう、安心して商品を選べるよう、主に第三者機関が安全性を確認したものに与える認証です。

コーシャ認証を取得するためには、権威のあるラビとの提携関係が必要です。ラビは、コーシャ製品を製造する方法についての指導者としての役目を果たし、正式なコーシャ認定書を発行することができる唯一の人物です。コーシャ認証を付与する対象は、加工食品メーカーに限らず、レストラン、ホテル、医療、物流業界など多岐に渡っています。

コーシャ認証が人気の理由

世界のコーシャ食品市場は2021年に199億(約26.9兆円)ドルに到達予定。今後も成長する予測が出ていて、特にアメリカではスーパーマーケットで売られている30%以上の商品がコーシャ認証を取得しているほどだそうです。

その人気の背景には、コーシャ認証を得るためには原料のトレーサビリティの確保が必要であったり、第三者であるユダヤ教の「ラビ(教師)」の実地検査による認証プロセスを経ていることがありり「コーシャ=安心 / 安全 / 品質が高い」という認識が高まっていることが要因のようです。

参考:https://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/07/19/2207e_tokunaga.pdf

コーシャとハラルの違いとは?

「コーシャ」がユダヤ教の規律だとすれば、「ハラル」はイスラム教の規律です。似ている部分も多くありますが、ハラルでは酒類が禁止されていたりと異なる部分もあります。コーシャとハラルの主な違いは、以下の簡易表を確認ください。

コーシャ(ユダヤ教) ハラル(イスラム教)
牛・鶏
豚または豚由来の加工品 × ×
規定に則らずにと畜された動物 × ×
肉と乳製品の食べ合わせ ×
ひれ・うろこのある魚
ひれ・うろこのない魚(イカ・タコ・貝) ×
酒類
×

ハラル認証とは?

ハラル(ハラール)認証とは、宗教と食品衛生の専門家(ハラル認証機関)がハラルかどうかの検査をしてハラル性を保証する制度です。

ハラル認証マークのある製品は、豚やアルコールなどの禁止されている成分が一切含まれていないことを保証するだけではなく、その製品が製造環境・品質・プロセスを含む全てがイスラム法に則り基準をクリアしているという意味があります。そのため、ハラルマークがあれば、ムスリムが自分で成分を調べなくても「安心・安全な製品」と認識し購入する際の判断材料になります。

主なコーシャ認証とハラル認証

今回は、eco.veda商品が取得している認証をそれぞれ紹介します。

コーシャ認証|StarK

  STAR-Kマークは、コーシャ認定を受けて製品であることを保証するマークで、米国ボルチモアに本部を置き世界的に知られていて、50年以上のコーシャの監督歴がある組織です。アメリカの中にも、中国、インド、南米、イスラエル等に拠点があります。


【原材料 / 成分】
非コーシャの原材料に汚染されないよう、使用する成分は2つの境界レベル(コーシャおよび非コーシャと、パレーブおよび乳製品)で識別および分類できているかを確認します。

【プラント手順】
製品をつくる過程で以下の4点を確認します。
・非コーシャ成分を処理した機器の二次利用時の対処技術が適切か(消毒 / 洗浄対応含む)
・使用される熱の温度と種類が適切か
・成分またはプレミックスの輸送手段が適切か
・包装素材や手順が適切か

【認証】
認定製品のリストを最新の状態に保つために継続的に更新することを義務とし、STAR-K の事前の承認なしに、工場で新しい成分を使用することはできません。

【更新】
更新頻度は、製品や生産ラインの種類、規模、製造プロセスの複雑さなどによって異なります。一般的には、Star-K認証は年に1回または2回、定期的な監査を受ける必要があります。また、定期的な監査に加えて、臨時的な監査も行うことがあります。臨時的な監査は、製品に関する異常な報告やクレームがあった場合、または製品に変更があった場合に行われるようです。

【費用】
認証の費用は、検査や監査、書類の作成、ラボテストなどの費用が含まれます。
製品の種類や製造プロセスの複雑さによっては、認証費用が高額になることがあります。
開示されている料金体系はないため、取得したい時には、直接問い合わせる必要があります。
ちなみに、Star-Kは非営利団体なので、認証の費用は主に認証プロセスの運営費用や従業員の給与に充てられます。

ハラル認証|HALAL INDIA

ハラルインディアは、インドで確立されたハラル認証機関の1つ。15年以上に渡って、120ヶ国以上のハラル認証を行なっています。ハラルインディアは、2013年に設立された非政府組織で、イスラム教の教えに従って製品が作られ、調理されたかどうかを認証する制度で、国際的にも認められている期間です。認証範囲は、コスメ、食品、生活用品、レストラン、医薬品、メディカルツーリズム、物流など多岐に渡っています。

【プラント手順】
ハラル認証もコーシャ認証と同じように、主に成分に問題がないか、製品の工程で規律を破る行いや成分が混入しないかを確認します。
・非ハラル成分を処理した機器の二次利用時の対処技術が適切か(消毒 / 洗浄対応含む)
・使用される熱の温度と種類が適切か
・成分またはプレミックスの輸送手段が適切か
・包装素材や手順が適切か

【更新】
製品や工場の変更がHALALの基準に合致していることを確認するために、一般的には、年に1回または2回更新する必要があります。認証更新の際には、工場の現地調査が必要になる場合もあり、製品や工場の変更があった場合には、即座にHALAL INDIAに報告する必要があります。

【費用】
一般的には、HALAL INDIAの認証費用は数十万円から数百万円程度になると言われていますが、認証を受ける製品の種類や数量、製造工場の場所や規模、認証にかかる作業量によって異なるため、直接問い合わせが必要です。

おわりに

今回は、eco.veda商品が承認されているコーシャ認証とハラル認証について紹介しました。
海外では当たり前のように広がっているコーシャ認証とハラル認証ですが、日本ではほとんど認知度がありま線。
これを機会に、コーシャ認証やハラル認証についても興味を持ってもらえたら嬉しいです。

今回の調査の際に、公式サイト(英語)等を確認しての情報整理を行っているため、不備や間違いがあるかもしれません。また、基準などの情報更新が間に合っていないこともあります。もし、お気づきのことがありましたら、ご連絡いただけると嬉しいです。

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